永田 一郎さん

京都大学-コーネル大学国際連携コース 2020年度修了生

株式会社新日本科学 常務取締役社長室室長
兼 株式会社AMAFURU&Co. 代表取締役社長
兼 株式会社GEMSEKI 代表取締役社長
兼 メディポリス国際陽子線治療センター 医師

数あるビジネススクールの中でGSMを選んだ理由

永田 一郎さん

私は元々医師としてがん患者さんの診療に携わってきました。その中で、精神的なケアにおけるホスピタリティ面での重要性について日々感じてきました。それと同時に、医学部の学生のころから会社経営にも興味を持ち始めていたこともあり、どのようにしてこのビジネスとホスピタリティの両面を勉強したらよいか模索していました。そんな中で京都大学とコーネル大学の連携コースが始まることを知り、自分が興味を持つこの二つの分野の勉強ができるという魅力に惹かれ、受験を決意しました。

GSMで学んだこと

GSMで学んだこととしては大きく3つあります。1つは主に1年目の前期で学ぶ、経営の基礎です。2つ目は2年目の後期で学ぶ、様々な選択講義です。この選択講義では、ホスピタリティ関連のものから、Business valuationのクラスやAIのクラスまで、幅広く勉強させていただきました。3つ目はワークショップになります。ワークショップのテーマは幅広く、リサーチからケーススタディ、ビジネスプランと選ぶことができ、自分の今後に役立つトピックを選ぶことができます。
一方、コーネル大学で過ごした1年間でも、ホスピタリティ関連の授業だけでなく、他学部であるコーネル大学MBAコースの授業やヘルスケアの授業、International Relationsの授業など、様々な講義を受講しました。特にユニークなものとしては、世界各地のワインを学ぶコース(ティスティングあり)や、実在するホテルをクラスとして1学期間かけてコンサルティングする講義などがありました。

現在の進路を選んだ理由

私が勤めている新日本科学は父が経営している、一部上場企業です。事業内容としては、医薬品の前臨床試験受託部門を主軸として、リゾートホテルやメディカルツーリズム、地熱発電事業や水産事業と事業内容が多岐にわたっています。このことから、社内で様々な事業に携わることができるというのは大きな魅力だと思っております。私自身卒業前からホテル経営と医薬品開発のプラットフォーム事業といった2つの子会社を経営しており、今回大学で学んだことを試行錯誤しながらも早速実践しています。

在学中、印象に残った出来事

このコースは京都大学とコーネル大学二つの違った環境で勉強ができるという大きな強みがあり、在学中のすべてが印象的でした。特に入学前はビジネスについてほとんど知識がない状態でしたので、1学期目から経営戦略、マーケティング、リーダーシップ、ガバナンス、ファイナンスなど私にとっては未知の分野を勉強することができ、非常に刺激的な毎日でした。コーネル大学では、他学部との交流や、大企業の代表や役員を務められておられる卒業生との交流の機会が多くありました。同級生も非常に社交的で、ユニークな経歴を持った方々が多く、いろいろな交流を経て、自分の人としての幅が広がったと感じています。
WSは、日本のウェルネスリゾートの現状とウェルネスサービスを導入する際に使用できる戦略的フレームワークの作成、というテーマで研究を行いました。医療分野以外での論文は初めてでしたが、指導教員のSpring先生の手厚いご指導のもと、論文を仕上げることができました。

授業以外に取り組んだこと

2年目はコロナウイルスの影響からすべてリモート講義となったことで、2年目は仕事と学業を並行して行いました。特にコーネル卒業後の7月からは弊社ホテル事業の責任者になり、ホテルのリブランディングを行いました。経営戦略からマーケティング戦略、ブランディングにサービスオペレーションの見直しなど、今回のプログラムで学んだことをそのままリアルタイムで実践に落とし込んでいく、という非常に有意義な時間を過ごすことができました。
2月からは前述の医薬品開発のプラットフォーム事業の代表にも就任しましたが、ここでも在学中に学んだことを応用し、今後業界をdisruptできるような大きな改革を行いたいと考えているところです。

入学希望者へ向けてのメッセージ

永田 一郎さん

KC-CDOプログラムは、世界的に有名な二つの大学で経営とホスピタリティを学ぶことができるという、非常に贅沢なプログラムだと感じています。
両校の著名な先生方による講義や、両校の貴重なAlumniネットワークへの所属。情緒あふれる京都での生活に加えて、アメリカでもっとも美しいキャンパスとも言われるコーネル大学イサカキャンパスでの生活など、たくさんの魅力が詰まったこのプログラムは世界的に見てもなかなか類をみないと思います。そして、この経営学とホスピタリティ学を両方学べることで、自分の中でもビジネスに対して想像力の幅が広がったと感じており、ぜひ皆さんにも経験していただいて今後につなげていただければ、卒業生として嬉しく思います。