本田 路子さん

サービス&ホスピタリティプログラム 2回生(2019- 長期履修生)

GSMを選んだ理由

本田 路子さん

「京大とは、自由さと基礎研究重視の校風があり、How to(うまくいくやり方)ではなくWhat to(何をなすべきか)を学ぶ場所である」という小林潔司教授(元経営管理大学院長)のお話を聞き、進学を決めました。ビジネススクールは沢山あれど、会社を円滑に回すためのツールとしての知識を得ても、本当の課題解決は難しい。表層的な議論ではなく、真理を追究する姿勢が必要だと思います。特に私が15年以上従事しているホテル業界には、おもてなしやサービスという基本的な言葉についての定義がまだ無く、より根本的な議論が求められる分野です。この「サービス」のコースが設けられていることも京大を選択した理由の一つです。

GSMの魅力

京大ならではの場の魅力を感じています。国内トップクラスの蔵書量を誇る図書館では、いつ行っても多くの学生が黙々と机に向かい、教室の明かりは遅くまで煌々としており、学びの空間にどっぷりと浸かることができます。社会人学生としては、こうした場所が与えられていることを一層贅沢に感じます。また日々の講義では、サービス、経済、AIなど様々なジャンルの最先端の議論にアクセスでき、そうしたテーマについて、多様でユニークなバックグラウンドを持つ仲間たちと議論を交わすことで大いに刺激を受けています。

将来の展望

ホテルサービス業界での15年間の実務経験で得た知見を、経営学的、社会学的に読み解き、整理することで、業界に貢献したいと思っています。日本のサービス業は生産性が低いと言われますが、学術的知見が無い状態で判断すると、その解決のために削ってはいけないコストを削り、結果的に企業の力を弱めてしまうケースがあることを知りました。人的サービス業は個々の従業員や組織体に蓄積された暗黙知が多く、それが強みでもあり弱みでもある。京大大学院で学ぶ中で、What to:何をなすべきか、すなわち結局何をマネジメントしなければならないのか、という視点を得られつつあるように感じています。

おすすめの科目

「インテグレイティド・ホスピタリティ経営論」
“ホスピタリティ”という未確立の概念に様々な角度からアプローチします。“ホスピタリティ”を価値創造の源泉と捉えると何ができるのか、何が改善できるのか、実践事例の分析を通じて議論します。
「現代マーケティング」
毎回、著名企業のマーケティング責任者が登壇し、マーケティングの実践に触れることができます。
「証券投資論」
投資家が何を求めているのかを実践と理論の両面で学ぶことで、例えばホテル事業としての成功をどう定義するべきか、ということについて思考することができました。

1日のスケジュール

本田 路子さん

仕事と勉学を両立するため、長期履修制度を申請しました。
通常2年の履修内容を4年で修めます。

<1年目の前期のある日>
午前中 リモートワーク、レポート作成など
10:30~12:00 講義「組織行動」
12:00~13:00 昼食を兼ねてグループ討議
13:00~14:30 講義「マーケティング」
14:45~16:15 講義「ツーリズム産業論」
16:30~18:00 図書館にて課題、レポート作成
18:30~21:00 夕食を兼ねてグループ討議、資料作成
21:00以降 業務対応

1週間のスケジュール

仕事場のある東京から通学しています。

<1年目の後期>
土曜:東京駅→新幹線で移動
   9:30 京都駅着
   10:30~18:00 講義(京都泊)
日曜:課題、レポート作成、グループワーク討議、業務対応(京都泊)
月曜:午前中リモートワーク
   13:00~18:00 講義(京都泊)
火曜:10:30~14:30 講義
   東京へ移動
水曜~金曜:東京にて通常勤務

入学希望者へ向けてのメッセージ

自分次第でいくらでも深く、広く学べる場所です。経営管理を学ぶので、少しでも社会人経験があった方が、学問をよりリアルに体得できると思いますが、社会人未経験者でも、同窓生に経験者がたくさん在籍しているので、実践エピソードは豊富に得られます。大切なことは、知的欲求の赴くまま、あるいは、自分が従事している仕事をより充実させるために、どれだけ貪欲になれるかということだと思います。それがあれば、とても充実した2年間になると思います。