山岡 雄己 さん

サービス&ホスピタリティ 2022年度修了生

株式会社プロップビジネスコンサルティング
代表取締役/中小企業診断士

数あるビジネススクールの中でGSMを選んだ理由

山岡 雄己 さん

2016年,偶然に東京青山で山内裕先生の「闘争としてのおもてなし」の講演をお聴きして,そこで京大にMBAコースができたことを知りました。私自身が京大出身(1988年文学部卒)で親近感もあり,また子息が京大に合格(2020年工学部入学)したことで居住環境が整ったことから,GSM進学が現実味を帯びてきました。

実際には他のMBAコースと比較するということはなかったのですが,全日制でじっくりとアカデミックな学究に専心できること,男女比率や社会人比率などに偏りがなくダイバシティを体感できること,留学生比率が高くグローバルな環境に身を置けること,といった学習環境はとても魅力的で,進学のモチベーションとなりました。

GSMで学んだこと

基本的なビジネス英会話はできるレベルになりました。入学までほとんど英語を使う機会がなかったので一念発起し,修了に必要な英語は2科目のところ10科目,オンライン留学を含む課外授業を3科目,その他夏季休暇には自主的にCourseraで英語授業を履修しました。

また,これまでの経営コンサルタントとしての実務的な経験や知識が,アカデミックな理論的バックボーンを得たのも大きかったです。特に統計分析手法,企業価値算定,コーポレート・ファイナンスに関しては,多くの新しい発見がありました。そして2回の学会発表では各方面の研究者の方々と意見交換ができ,パラダイムシフト後の経営戦略の方向性についてインサイトを得ることができました。

現在の進路を選んだ理由

入学前から経営コンサルタントとして独立していたので,修了後に進路が大きく変わったということはありません。ただし,これから徐々に業務内容が変わっていくのだろうなと感じています。海外案件が増えるだろうことに加えて,個別企業へのコンサルティングが減ってレクチャーや講演などのレバレッジの効いた業務が増えていくのだろうと感じています。コンサルタントとしての20年間のプラグマティックな経験は,GSMの2年間で体系化されて人に教えられる体裁を整えてきました。これまでの知識とGSMの学びを融合させて実践的な知恵とし,日本の中小中堅企業の生産性向上に寄与すべく活動していきたいと思っています。

在学中、印象に残った出来事

私は現在,法政大学ビジネススクールで兼任講師として10年ほど経営診断実習(中小企業診断士養成課程の必修科目)の指導をしています。それと同じような実習をGSMでも行いたいと思いSVである関口倫紀先生にご相談したところ,快く国内インターンシップに認定していただき,1年目の夏にクラスメイト8人で催行することができました。

限られた時間で議論を重ね(議論が白熱し6時間を超えることも何度かあり…),出来上がった報告書は180頁,パワーポイント145枚,診断先企業をGSMの教室に招いてのプレゼンテーションは2時間に及びました。やや焦点化できずに粗さの残る提言ではありましたが,先方様からは丁寧な御礼と感謝の言葉を賜り,メンバーは十分に達成感を得ることができました。この診断先企業とはその後もお付き合いがあり,少しずつでも提案内容が実現して事業が発展しているご連絡をいただくたびに,暑い中みんなで頑張ってよかったと感じてます。

授業以外に取り組んだこと

山岡 雄己 さん

1. 国際コースと合同で,クリスマスパーティーやピクニックの企画をしました。オープンキッチンで各国の料理を作ったり(前日の食材買い出しが大変だった…),屋外BBQを楽しんだりと,英会話レベルに関係なく,ダイバシティな雰囲気で国際交流を楽しみました。

2. サークル活動として,京大短歌会に所属しました。毎月とまではいかないものの,2か月に1度くらいは歌会に参加しました。私の歌風は若手メンバーからアララギ的と評されることもありましたが,20歳前後の若者たちのアグレッシブな感性には大いに刺激を受けました。自選の一首:桜花散るも散らぬもシュレディンガー今この瞬間(とき)を生きてゆくのみ

3. 2年の夏は京大プールでほぼ毎日泳ぎました。1日2時間の限定開放でしたが,2㎞を50分かけて泳ぐだけで十分いい運動になり,その後西部キャンパスのカフェテリアでパフェを食べるのは至福の時間でした。

入学希望者へ向けてのメッセージ

山岡 雄己 さん

リカレント教育が注目されている昨今,私と同じような環境にいらっしゃるシニアの社会人の方々に向けてメッセージを送りたいと思います。MBAにはいろいろな種類があり,もしかしたら皆様は,仕事をしながら学べる夜間・土日コースを検討されているかもしれません。しかしながら,GSMには長期履修コースがあり仕事をやめないで4年かけて卒業する方もいます。また,政府方針によりリカレント教育が推奨されていることもあり,ある程度の時間的な融通を会社が認めてくれるかもしれません。あるいは,自営の方は少し仕事の量を落として(私のように)学習時間を捻出することもできるでしょう。いずれにせよ,自分の人生は自分でコントロールできる,ということを忘れないでください。50歳を過ぎてからのGSMでの体験は,皆様の残りの人生をさらにもう一度輝かせることになるでしょう。

The voyage of the best ship is a zigzag line of a hundred tacks. See the line from a sufficient distance, and it straightens itself to the average tendency.
Emerson (1841) Self-Reliance