大門 将也 さん

ファイナンス・会計プログラム 2023年度修了生

株式会社 リクルート
FP&A職

数あるビジネススクールの中でGSMを選んだ理由

大門 将也 さん

私がGSMを選んだ理由は、そのポリシーにおいて標榜されている「理論と実務をつなぐ実践的な教育」と「ダイバーシティの重視」という二つの要素が体現されていると感じたからです。
出身である工学部での学修とプロジェクト活動を通じ、理論と実践の双方がものづくりにおいて不可欠であると痛感しました。この経験から、ビジネスの世界においても同様のアプローチが重要であるだろうと考えました。具体的には、経営学やファイナンスの理論の深い理解が、実務における判断力を高める基盤になると認識しています。
さらに、異なる業種から来た豊富な実務経験を持つ人々との対話は、多様な視点を学び、より豊かなキャリア選択をする上で重要な機会になるだろうと考えました。
GSMが提供する文理融合型の教育と、多様なバックグラウンドを持つ学生との交流は、私にとって理想的な学びの場であると感じました。

GSMで学んだこと

GSMにおける学習の流れとして、M1前期に経済学や会計学といったビジネス基礎学問を学びます。M1後期からは、ファイナンスの専門科目を始め、リスクマネジメントやアントレプレナーシップといった経営に関連するトピックを扱う科目が展開されます。さらに、エフェクチュエーションやAIなど、現代のトレンドを捉えた新しい分野をテーマにした講義も多数開講されています。
総じて、実践的な学びと講師及び他の学生との議論を重視した幅広く用意されており、充実した学生生活を送ることができました。
また、M2から始まるワークショップでは、担当教員の指導の下、学生が抱える課題意識やテーマを深掘りしていくことになります。私は、ESG評価の文脈における生成系AIの影響というテーマについて取り組みました。
講義で得た知識だけでなく、継続的な成果物に基づく担当教員との深い議論の機会が設けられていることは、非常に有意義な体験でした。

現在の進路を選んだ理由

ファーストキャリアとして、FP&A職(Financial Planning & Analysis)を選びました。この進路を選んだ理由は、GSMで学んだ知識を活かし、企業の業績目標達成と意思決定支援に貢献したいと考えたからです。
FP&Aは、経営戦略の策定や具体的な施策の決定にあたり、財務や会計の観点から必要な情報を提供し、経営者や事業部門長の意思決定を支援する重要な役割を担います。したがってこの職種では、経営層との議論が可能な深い知識とともに、事業部と密接に連携する能力が求められます。
GSMで学んだ経営理論を実務にどのように応用するか、またGSMで接した多様な価値観を基に、ときには異なる立場の人々とどのように事業を進めていくかが、職務を通じて求められることになると考えています。
GSMでの学びがこのキャリアパスを選択する上での決定的な影響を与えたのは、言うまでもありません。

在学中、印象に残った出来事

入学当初、実務経験がない私は、講義内でどのように議論に貢献できるか悩んでいました。そのような中、「経営戦略」という基礎科目の講義で、学生のこれまでの実務経験等での知見のシェアリングを目的としたプレゼン発表者の募集が行われました。学生フォーミュラ日本大会という産学協同プロジェクトに参画していた実体験から、その魅力と難しさについてシェアリングする良い機会であると感じ、このプレゼン発表者のひとりとして登壇しました。
発表後、多くの人々から声をかけられるようになり、その結果、講義での議論などに積極的に参加できるようになりました。同様に様々なテーマで自分も経験を発表した同期も多く、そのプレゼンと先生の講義が組み合わさることで、非常に充実した学びの時間を過ごせたことを今でも鮮明に覚えています。

授業以外に取り組んだこと

勉学以外にも新しい経験を積んで視野を広げたいと考え、京都の合唱団に加わり、2年間活動しました。音楽経験がまったくない中で、合唱団の温かいサポートのもと、混声合唱の魅力を体験できました。年に一度の定期演奏会では、多くの聴衆の前で様々な国や時代の著名な曲を歌い、忘れられない思い出ができました。
新しい挑戦には勇気が必要です。合唱団に入団する決心にあたり、GSMで出会った様々な背景を持つ人々に触発された部分があります。人との出会いが新しい体験や生き方につながることの素晴らしさを実感した次第です。

入学希望者へ向けてのメッセージ

GSMでの2年間を振り返ってみれば、刺激的な環境で学生生活を送ることができた感謝でいっぱいです。従事する業界で感じた問題意識や自分のキャリアパスにおいて達成したい目的を持った方々に囲まれる中で、自分のキャリアプランについて熟考して進路を選択できたことは、何物にも代えがたい経験です。同時に、指導教官である砂川先生をはじめ、GSMの先生方の丁寧なご指導により実りある学びを得ることができました。
最後に、私のような若輩者から恐縮ではございますが、入学を希望する方々に向けたメッセージを添えさせていただければと存じます。京都大学の自由の校風のもと、GSMには様々な学びに触れる機会と環境が整っています。明確な目的を持ってご入学いただき、主体的な学生生活を送っていただければと思います。