赤城 賀奈子さん

サービス&ホスピタリティプログラム 2018年度修了生

株式会社K-MBA9 CEO/作家

数あるビジネススクールの中でGSMを選んだ理由

赤城 賀奈子さん

40代という人生の折り返しのタイミングに、これまでの延長線上の人生とは違う、新しい可能性を見つけたいと模索していました。私は、これまで20年以上のキャリアの中で、会社員、親の会社の第二創業、夫婦で起業と「ビジネスのフルコース」を経験してきました。しかし一方で、一通り自分がやりたかったことを達成したことで、心から情熱を傾けられる次の一歩を見出せずにいました。そこで、もっと大きな視点からビジネスについて捉え直したいと考えた時、GSMこそがベストだと感じたのです。なぜなら、新しいことを恐れずにチャレンジする起業家精神に富み、独創性あふれる着眼点を持つ人の集まりだと思えたからです。

GSMで学んだこと

赤城 賀奈子さん

GSMでは大きく3つのことを学びました。まず、香港や沖縄で開催されたデザインスクールの研修にて、複雑な社会問題の解決にデザイン思考を用いて取り組んだことから、よりクリエイティブな発想で課題を考察できるようになりました。また、世代も専攻も異なる個性豊かなメンバーからなるチームで最優秀賞を受賞でき、多様であることの魅力を再発見しました。 2つ目に、一流の講師陣とゲストスピーカーから、世界最先端の情報や旧来の常識とは異なる着眼点を事例と共に学び、多くのインスピレーションを得ました。 3つ目に、世界各地からの学友とのディスカッションを通じて、より柔軟性のある視点で未来を捉えられるようになり、知識だけではない活きた学びを得る機会に恵まれました。

現在の進路を選んだ理由

私はすでに起業しているため、入学前と後で進路先に変更はありません。しかし、20か国を超える多国籍のクラスメイトとの交流や、教授も交えての白熱した議論を通じて、大学院内ではマイノリティである自らの経験が、世の女性たちの助けになることがわかり、働く女性のためのオンライン・コミュニティ「ヒロイン・パワー(Heroine Power)」を立ち上げました。ここは、女性の幸福度を最大化するために、参加者同士がインスパイアし合う場として成長しています。このコミュニティを、日本一、女性にとって役立つものへと発展させ、さらにはグローバルにも展開して、より大きな社会貢献をしていきたいと決意しています。

在学中、印象に残った出来事

赤城 賀奈子さん

最も印象深かった出来事は、サービス&ホスピタリティの最終報告会にて、「夫婦間の『期待』がキャリア・デザインに与える影響」という私の研究発表が、トップ3の1つである「クリエイティブ賞」を受賞したことです。この研究は、スプリング・デザイン・スクールのポスター発表会でも、人だかりができるほど関心を集めました。これも、指導教員である関口倫紀教授をはじめとする先生方からの助言と、毎回、英語で行われた多国籍なメンバーが集う関口ゼミでの議論のおかげです。また、デザインスクールの国内研修では、香港と台湾から来日した院生に、御所東小学校の見学や京都市観光局長へのインタビューなどのフィールドワークを企画・実地し、参加者から多くの喜びの声をいただけました。育児と仕事に加えての大学院生活は、時間のやりくりに苦心しました。けれども、家族の献身的な支えと協力のおかげで、充実した学生生活を送ることができたことに、心から感謝しています。

授業以外に取り組んだこと

同級生や留学生からの起業相談がきっかけとなり、「京大起業部インターナショナル」を立ち上げることとなりました。専攻を超えた世界各地の京大生が集うグローバルなネットワークを構築でき、私は代表として運営に携わっています。現在は33か国以上の異なる経歴を持つ京大生と卒業生の約105名が所属し、活発な情報交換や互いのビジネス・アイデアを語り合う機会を持つことができています。このコミュニティに関心を寄せてくださる他の団体や企業、経営者との出会いも生まれ、人の輪が広がり続けています。 また、私は作家活動もしており、最新刊「家族>仕事で生きる。(仕事よりも家族で生きる)」の出版が、1年目前期の期末試験と重なりました。最終原稿のチェックと試験対策で寝る間もないほど追い込まれましたが、家族の支えと友人の協力のおかげで、無事に出版し、試験も乗り切ることができました。拙著が京大ルネの書店に置かれているのを見た時は、これまでの苦労も吹き飛び、喜びもひとしおでした。

入学希望者へ向けてのメッセージ

赤城 賀奈子さん

着眼点が異なる人たちとの会話は、GSMでしか味わえない刺激的な時間であり、私の視野を大きく広げてくれました。これまで、経営者として、作家として、母として、多様な人脈を持っている方だと自負していましたが、GSMで得た人脈は、今まで以上に大きく、豊かなものでした。インスピレーションの源となる授業、深い知識に裏づけられた先生方からのアドバイス、そして切磋琢磨し合えるクラスメイトたち。私は、2年間という限られた時間の中で、多くのセレンディピティに遭遇しました。好奇心に駆り立てられるまま学び取り組んだことに加え、誰かの役に立ちたいと貢献心をもって関わったことで、濃密な時間を体験できる機会に恵まれました。GSMに来たからこそ見つけられた新たな情熱は、これからの人生の原動力となってくれています。貴方もGSMで新しい情熱と出会える喜びを味わってください。好奇心と貢献心が、貴方の人生を変えるようなセレンディピティをもたらしてくれるはずです。