【概要】
近代観光の起源は、19世紀のトマス・クックによるツアーを起源とし、労働者に適切な休暇を与え、それによって生産性の向上を目指したという意味で、極めて資本主義的な特質を有していた。20世紀に入り、各地で共産主義・社会主義国家が成立すると、各国の政府は労働者の健康に関して十分な配慮を示す必要上、保養所が多く作られるとともに、十分な休暇を取るように政策的な配慮がなされた。
近代の労働問題を考える上で、各国の共産党が労働者の処遇上、「観光」をどのように捉えていたのかは明らかにするべき論点であったが、日本においてはこれまでのところ十分に顧みられた形跡がない。
また、現在では、旧東欧圏をはじめとして、共産主義国家であったことをノスタルジーとして楽しむ形態の観光も流行しているし、スイスなどは冷戦時代の核シェルターを観光資源として活用している。このように考えると、共産主義に関して、観光学の観点からこれまで考察をしてこなかったことのほうが不思議ですらある。
上記の学問上の要請に答えるため、「旧・現共産主義諸国と観光動向 - もうひとつの聖地巡礼」と題した企画セッションを開催する。
【開催日】
2017年3月26日(日) 18:00~20:00
【対象】
学術関係者および一般社会人・学生
【場所】
経営管理大学院 大講義室
【担当教員】
特定准教授 前川 佳一
【主催】
経営管理大学院
【共催】
進化経済学会 観光学研究部会
グローバルビジネス学会 ホスピタリティ部会
【申し込み・問い合わせ先】
進化経済学会 観光学研究部会
https://sites.google.com/site/evolutionandtourism/home
グローバルビジネス学会 ホスピタリティ部会