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2009.12.14

H21.12.14 シンポジウム「内部統制報告・監査の現状と課題」を開催

京都大学経営管理大学院では、11月28日(土)大阪国際会議場において、「会計専門職の学び直しを支援する短期集中教育プログラム」(文部科学省委託事業)の一環として、シンポジウム「内部統制報告・監査の現状と課題」を開催した。

今回のシンポジウムは、昨年度から上場企業に義務付けられた内部統制報告およびその監査における諸問題について議論することを目的としたものである。

成生達彦経営管理大学院長の挨拶にはじまり、野村昭文氏(金融庁総務企画局企業開示課 企業会計調整官)より、「監督官庁からみた現状と課題」をテーマに基調講演が行われた。

基調講演では、初年度の内部統制報告の提出状況や、報告書におけるIFRSへの対応、また円滑な実施に向けた今後の取り組みについて発表が行われた。

続いて、増田宏一氏(日本公認会計士協会会長)より「会計士の立場から見た現状と課題」、谷口進一氏(新日本製鐵株式会社 代表取締役副社長)より「企業の立場から見た現状と課題」、また、曳野孝氏(京都大学経営管理大学院准教授)から、米国版SOX法を例に挙げて「企業統治の立場からみた現状と課題」について、それぞれ課題提起が行われた。

その後、野村昭文氏もパネリストに加わり、コーディネーター澤邊紀生教授の進行よりパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションでは、内部統制報告・監査の定着度会い、内部統制にかかるコストとベネフィット、提出企業の温度差の問題、また初年度の知見を活かした今後の課題等について活発な議論が行われた。

このシンポジウムには、公認会計士、企業のマネジメント関係者、コンサルタント、学生や教員等計106名が参加し、パネルディスカッションの最後には会場との質疑応答も行われた。募集予定人数を上回る参加申し込みがある盛況ぶりで、満席となった会場では、熱心にメモを取りながら耳を傾ける姿が多く見られた。