堺 政人さん

ビジネス・リーダーシッププログラム 2020年度修了生

証券印刷会社勤務

数あるビジネススクールの中でGSMを選んだ理由

堺 政人さん

メガバンクを準定年退職後、ベンチャー・キャピタルにてベンチャー・キャピタリストとして、起業家への投資をしていました。京都大学は日本でも有数の起業家を輩出している大学であり、そして起業家をサポートする環境が整っている事に魅力を感じていました。物事は本物に学ぶのが近道だと思い、一流の先生が揃っている事と、各分野での一流の経験を積んだ社会人が集まっており、自分自身の成長と確かな人脈が築けると考えていました。日本では珍しく全日制のMBAであり、しっかり学ぶならここしかないと当初から考えていました。

GSMで学んだこと

入学してからわかったのですが、生徒の47%が留学生、そして45%が女性であり、74%が社会人です。ダイバーシティを実現しており、多様性がもたらす思考の広がりを体験できる貴重な時間を過ごせた事は財産です。
京都大学は講義科目の選択肢が幅広く、全学共通科目や院横断科目、夏季集中科目等の受講が可能であり、興味のある分野の知識を得られると共に、他学部専攻の学生との交流があります。
また神戸大学との提携があり、神戸大学MBAの講義も受講が可能です。積極的に受講しました。
在学中にコロナが流行して従来の習慣や常識が崩れ落ち、将来の不確実な状況下で、大学も生徒も毎日が手探りの時期もありました。失う事により新しく得るものもあり、「何かが終わる」とニュートラルゾーンを経て「何かが始まる」事を経験し、身近なイノベーションを実感しました。

現在の進路を選んだ理由

証券印刷会社にて、起業家の目標のひとつであるIPO(株式上場)支援をしています。銀行にて間接金融、V Cにて直接金融を経験しましたが、現在はIPOについての実務知識を深めるために携わっています。将来は、この幅広い実務経験を生かし、大学や企業、地域社会に貢献したいと考えています。

在学中、印象に残った出来事

堺 政人さん

事業創生に関心があり、末松千尋教授(スタンフォード大学出身・元マッキンゼーを歴任)のWSを選択しました。WSではロジカル・シンキングを徹底的に指導されました。答えに窮する質問を投げられMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)を意識することで、総合的な視点から必要な事実を分類して、問題や課題に対する正しいアプローチを導き出す力が鍛えられました。自分自身の考えに対して客観視して捉える事ができ、メタ認知により思考の質を高める事もできました。
中国建国100周年に、WSの有志で北京視察に行く機会を得ました。中国のシリコンバレーである中関村でベンチャー企業訪問し、急成長中の美団(ネクストB A Tのひとつ)も訪れました。国家プロジェクトのスーパーシティである雄安新区も見学しました。
そしてフィールドワークにおいても、末松教授に幾度も企業訪問にてご指導いただきました。熱意のある指導に大変感銘を受けました。
「Strategy & Practice for Global Open Mkt.」の講義は留学生が主体のクラスで、90分間英語で発表及び質疑応答をしましたが、今でも穴があったら入りたい恥ずかしい経験です。

授業以外に取り組んだこと

堺 政人さん

GSMのメンバーでHult Prize at Kyoto Univ(世界最大の学生起業アイデアコンペ京大予選)に出場しました。
京大起業部設立時には、学部生向けにベンチャーキャピタリストとして資金調達について講演しました。
また他大学MBAとの交流を持つ事により、京都大学GSMを客観的に認識する事ができました。同志社大学ビジネススクールと合同でクリスマス交流会を企画して親交を深めました。次に、関西にある各大学MBA合同の交流会を企画しましたが、コロナで中止となったのは残念な出来事でした。
それから神戸大学MBA講義の相互履修がきっかけで、神戸大学の現代経営学研究所主催のWSでゲスト講演及びパネルディスカッションをさせていただく貴重な経験も得ました。

入学希望者へ向けてのメッセージ

MBAはわずか2年間です。経営を学ぶには、あまりにも短い期間です。最初の基礎科目では、講義の予習復習、レポート作成、グループワーク、テストが重なり睡眠時間を削り、勉強漬けの洗礼を受けます。志望動機において、箔を付けるためとか有利な就職のためとか、安易な動機しかない人は入学することがゴールとなり、最初の試練で自分を見失う人もいます。ほとんどの人は知的好奇心が旺盛で講義以上のものを得て、卒業後も学び続け成長しています。また、知識を得る場所ではありますが、考える力を養う場であり、人との交流により知識も深まります。普段の仕事環境では得られない人脈も本人の努力次第では短期間に広げる事が可能です。ビジネスリーダー、特に起業家や経営者の方には、質の高い人脈形成や自己を確立するうえでMBAは有効だと思います。一方で社内での昇進や就職だけを目標とする人は、社外の人脈は重要ではないのかもしれません。
大切な事は誰に教わり何を吸収するのか、そして豊かな人脈を築くことではないのでしょうか。その場を提供してくれるのがMBAであり、それからの人生を充実したものに変えてくれるのだと信じています。