海上 悟さん

観光経営科学コース 2021年度修了生

 

数あるビジネススクールの中でGSMを選んだ理由

海上 悟さん

私はこれまで、航空会社で主に空港で旅客サービスやその支援・管理を行ってきました。日々サービスを実践している中で、気になっていたことがありました。それは、「レンガ(経験)を縦に積むのではなく、横に置いている」という、あるホスピタリティに関する本に書かれている言葉です。これを読んだ時から、私はレンガを縦に積むことができているのかと考えるようになりました。この本のページは、コピーを手帳に挟んで持ち歩いています。京都大学には(通称)観光MBAがあります。私はここで、私なりにレンガを縦に積むことができるようにしたいと思いました。学校説明会にも参加し、先生方の独特の興味深い話を聞いてより学びたくなったことや、観光やホスピタリティを学ぶのであれば世界的な観光都市である京都であるとも考え、GSMを選びました。

GSMで学んだこと

GSMに入学するまで、簿記程度の知識しかなく、経営については全く知識がない状態でした。入学後の1年前期に学んだ組織行動、経営戦略、会計、ファイナンス、統計分析、マーケティングは経営の基礎として、その後の授業においても非常に役立ちました。企業や社会を見る視点を増やすことができたと思います。

学業以外では、様々な業界の方々と接する機会に恵まれ、新たに世界が広がったことや、社会人を経験した後の学生生活が新鮮でした。新卒時から同じ業界にいると、どうしても狭い世界に留まってしまいがちでした。また、私は東日本での生活経験しかなく、関西での体験は驚きの連続で、異文化交流には慣れているはずでしたが、初めの頃は外国のように感じていました。これまで普段接することがない業界の方々や文化との交流は非常に有益で、学業とともに自分の経験を広げてくれたと思います。

現在の進路を選んだ理由

海上 悟さん

観光経営科学コースに所属しているため、卒業後は観光に携わる仕事をしたいと考えていました。特に、これまで従事してきた航空や、自治体を候補として検討していました。観光やサービスに関する授業を主に履修し、加えて交通や物流に関する授業も履修しました。経営管理大学院だけでなく、公共政策大学院の授業も履修し、自分のこれまでの仕事を振り返りながら、今後の仕事についても学びながら考えていました。学問と実務の行き来をしながら学んでいくことができるのは、社会人ならではの大学院での学びだと思います。入学前よりも経営の視点を身に付けることができた自分と、この学びを活かしていけるのはやはり空運業であると考え、現在の就職先を選びました。

在学中、印象に残った出来事

海上 悟さん

コロナ禍で、入学時から授業がオンラインで始まったことが印象的でした。当時は感染拡大の初期段階で、よく分かっていないウイルスで、かつ新生活の始まりが重なり大変不安だったことを覚えています。そんな中で、オンラインやSNSで学友とのつながりができ、オンライン勉強会やオンライン飲み会でニューノーマルへ適応していきました。その後、オンラインと対面のハイブリッド型となり、新たな学びの場を楽しみながら過ごしました。

2年次のワークショップでは、ホスピタリティ産業の人材開発(インターナル・ブランディング)を研究しました。文献を調べたり、話を聞いたり、ホテルのインターンシップに参加したりしました。これまでの実務に加えて、様々な知識を増やしたり経験したりすることができました。まだまだ学ぶべきことはあります。読みたい本もたくさんあります。このワークショップでの学びを基に、今後も気になる文献などで学び続けていきたいと考えています。

授業以外に取り組んだこと

海上 悟さん

複数の授業でTA(ティーチングアシスタント)、OA(オフィスアシスタント)をさせていただきました。先生の授業や事務の補佐が仕事です。ひとのサポートをすることが好きだったり得意だったりということもあり、これまではお客さまの旅のサポートをしてきました。ここでは、先生や学生の勉学のサポートをすることができたことが楽しかったです。担当授業の先生とよく話をすることができたことも、学生生活の充実に役立ったと思います。遠い昔ですが、学部生の頃より先生方が近く感じられました。また、授業を学生側からだけでなく、学校側からも捉えることができたことは貴重な経験でした。このような自分の学業だけでなく、手伝い程度ですが仕事をすることが勉学の息抜きにもなっていました。気持ちの切り替えは、仕事でも勉学でも大切だと感じました。

入学希望者へ向けてのメッセージ

海上 悟さん

少しでも興味があれば、まず学校説明会に参加してみることをおすすめします。私はなんとなく関心があったところから始まり、学校説明会で話を聞いてここで学びたいと強く思うようになりました。実際、この2年間をGSMでの学修に充てることができて本当によかったと思います。この2年間に学んだことは、これからの第2次社会人生活で非常に役立つと感じています。そして、自分の成長や業界の発展に貢献することが楽しみです。

学部卒進学者、留学生、社会人など様々な個性溢れる人々がこのGSMで学んでいます。そういう方々とともに学ぶことができる、交流することができることは大変貴重な機会になると思います。ホスピタリティ産業で働いていて、経営やマネジメントを学んでみたいと考えている方々には、ぜひこのGSMで学ぶことをおすすめします。ホスピタリティ産業において、レンガを縦に積むことはなかなか難しいと思います。ここでの学びをきっかけや機会にして、ともに役割を果たしていきましょう。