黄 橙紫さん

ファイナンス・会計プログラム 2021年度修了生

 

数あるビジネススクールの中でGSMを選んだ理由

黄 橙紫さん

「外の世界を見たい」と大学で学んだ金融学・日本語の両方を生かしたいという強い気持ちで日本への留学を決めました。ビジネススクールの中で、 特にGSMは少人数制および 4つの教育プログラムを選択でき、多様な授業科目を設けているところに非常に魅力を感じました。それに、海外協定校の数が多いですので、交換留学して海外生活と通じてビジネスに関する知識を増やす機会が得られます。今回はコロナ感染の影響で留学が難しい状況ですが、学校で多様なバックグラウンドを持つ同級生、特に仕事経験のある方と接して、より広い視野で物事を考えることができたと思います。

GSMで学んだこと

M1の前期は経営戦略、マーケティング、ファイナンス、統計分析、情報システム・オペレーションズといった基礎科目を中心に、後期は数理ファイナンス、証券投資論、コーポレートファイナンスなどの専門科目を含んだ多様な授業や講座を学ぶことができました。特に、数理ファイナンスの授業では価格付け理論やBlack-Scholes-Mertonモデルなどを pythonを用いて算出することができますので面白かったです。M2はワークショップ中心で幸田先生と伊藤先生の丁寧なご指導をいただいて研究を進めました。研究テーマに関する制約がありませんので、皆さんの様々な研究テーマに触れることができ、多くの新たな知見を得ることができました。

現在の進路を選んだ理由

現段階では公務員や政策銀行への就職を目指しています。今住んでいるところでは、粤港澳大湾区(グレーターベイエリア) の発展が進んでいて、卒業生向けの公務員職位の選択肢が増えました。それに関する仕事をして、政府側からGSMで勉強した企業価値創造やコーポレートガバナンスの知識を運用し、企業側実際の状況を理解し、企業価値を持続的に向上させる後押しする政策の策定や実施に貢献できればと思います。

在学中、印象に残った出来事

黄 橙紫さん

幸田先生のワークショップに参加したことです。M1の時には主に教科書の内容を勉強し、レポートとテストを解くことに集中しましたが、M2に入って先生のワークショップで、一から研究テーマを具体化し、文献を集めて研究動向を調べ、データを収集・分析し、最後の研究結論を導き出す過程を経験しました。研究することはあまり得意ではないですが、幸田先生がいつも温かいご指導をしていただいて、ニコニコして笑顔でいることが私の緊張をほぐしました。伊藤先生も毎回みんなの研究報告を聞いて丁寧なアドバイスをしていただきました。ワークショップ以外も先生たちの熱心なメールのやり取りに感謝したいです。それに、ワークショップに参加したみんなの研究はとても多様性を持っています。化粧品市場や株式、M&Aなど幅広い分野に研究テーマが設定され、異なった方法で研究成果が出されました。それを勉強することも自分の知識を広げ、様々な知の領域への関心を高めたと思います。

授業以外に取り組んだこと

授業時間外は主にアクセンチュアのインターンシップやCPA試験に参加しました。インターンシップの方は3か月くらいで、平安保険の IFRS第17号会計基準の導入に関するプロジェクトに参加し、新たな会計基準の適用が保険会社に与える影響およびそれに関する実際の会計処理について知ることができました。そして、中国でのCPA試験は会計、税務、財務管理、企業戦略およびリスク管理などの科目を含んでいますので、それらの試験を受けることもGSMでの授業科目への理解を一層深めるメリットがあると思います。

入学希望者へ向けてのメッセージ

黄 橙紫さん

ビジネスは総合的な分析力を養い、さまざまな科目の知識を統合して実践に応用することが最終目的だと思います。企業の管理者行動、組織構造及び経営戦略などもその特定の環境から切り離すことはできません。組織構造や人材管理を考えずに戦略を決める経営者はいませんし、市場の成果が良いだけで企業の問題をすべて解決できるというわけでもありません。したがって、統合されたシステム的な形で物事を理解することを意識して、具体的な環境に戻って企業を見ることをGSMでの学びからわかりました。授業で先生たちからインスピレーションを得て、学び、本と事例を理解し、みんなとの話し合いから答えを見つけ、疑問を解決することが学習効果を最大化できると思います。それから、京大は豊富な研究資源を持っていますので、興味のある分野を定めて自由な環境で研究を進めてくださいね。