私は大学を卒業してから商社での仕事を経て、自分でビジネスを立ち上げました。2年前にビジネスの方向性に迷いが生じ、一回リセットして、より広い視野からこのビジネスや自分のキャリアを考え直そうと思いました。そのためには経営管理全般の知識が習得できるMBAコースに進むのが適切だと考え、京都大学の名に慕って経営管理大学院に入学しました。

　2年間という限られた時間でしたが、私にもたらされたのは掛け替えのない貴重な経験と、これからの無限の可能性でした。それは、幅広いカリキュラムや講演会、座学と実践を組み合わせたプログロムを受けることができたことに加え、京都大学特有の自由な学風、様々な背景を持つ優秀な同級生と先生、世界中の学校との豊富な交流プログラムといった環境を提供されたおかげです。普遍性と専門性、学術と実践、両方が重視されているので、スペシャリストとジェネラリスト、学問家と実践家の間で、自分の望ましい将来像を考えながら進んでいくことができました。

　リセットして新たに学んだ結果、私はもう一度会社に勤めようと決めました。それは起業を止めるという意味ではありません。2年間の経験を通じて自分にできること、足りないことが明確になりました。まずは会社といったプラットフォームで自分をもっと成長させ、満を持して起業のリスタートをしようと考えています。