教員紹介

教員紹介 2023.12.11

2023年度 新任教員のご紹介:浜崎 洋介 特定准教授



【ご挨拶】
2023年の10月より、GSMレジリエンス経営科学寄附講座の特定准教授として着任いたしました浜崎洋介と申します。これまでは、文芸批評、社会批評の執筆活動の傍ら、東京工業大学、日本大学、法政大学などの非常勤講師として働いてきましたが、縁あって、今秋から京都大学の方でお世話になることになりました。何卒よろしくお願いいたします。

【GSM着任以前のバックグラウンド】
学位論文を書籍化した『福田恆存 思想の〈かたち〉』(新曜社)でデビューして以降、主に在野で物を書いて生計を立ててきました。その間、「すばるクリティーク賞」(文芸誌『すばる』)の選考委員を務めたり、評論集や作家論を刊行したり、福田恆存のアンソロジーを編んだり、思想誌『表現者』の連載陣として筆を握ったり、その後継誌である『表現者クライテリオン』の編集委員として活動したりしてきました。また来年は、集英社のウェブサイトと、『文藝春秋』の方で、近代保守思想についての連載を持つ予定でいます。

【専門分野、研究内容】
「専門は?」と聞かれれば、形の上では「近代日本文学」や「批評理論」と答えるのが無難なのでしょう。が、小林秀雄、保田與重郎、福田恆存、吉本隆明、江藤淳、柄谷行人などの仕事を見ればわかるように、近代日本における批評家の仕事は、狭義の「文学」に限りません。そこでは、文学、思想、心理、歴史、政治、経済、科学などの領域を横断した、まさに超域的な思考が示されています。そして、その目的はただ一つ、個人と社会との適切な関係を考えることで、私たちの「生」の強度(レジリエンス)を高めていくことです。
日々行っている私自身の執筆・啓蒙・教育活動も、その延長線上での研究・実践であることをご理解いただければ幸いです。

【その他】
学生時代から今の今に至るまで、必ず週一回、学生の頃は師匠と、そして、教師になってからは学生有志たちと一緒に〈読書会+飲み会〉の営みを続けてきたのですが、今、気懸りなのは、それが京都に来てからも続けられるかどうかということでしょうか。考えてみれば、それこそが私の「故郷」であり「現場」だったんだなと、今更ながらに思います。
人は、一人では決して思考できない。そのことを、ひしひしと感じる今日この頃です。

【関連リンク】

批評の手帖 (hatenablog.com)
主に個人の仕事・告知用のブログとして活用しています。