女性研究者の声

ドイル恵美

研究職に至った背景 、現在の研究内容

研究職に至った背景 、現在の研究内容

工学部建築学科を経てゼネコンへ勤務後、海外で仕事をしたい一心から青年海外協力隊へ参加しました。その後、途上国におけるインフラ分野で貢献したいと思うようになり、修士から土木の建設マネジメント学科へ。その後、アジアを中心に国際協力機構でインフラ分野にかかるプロジェクトの立案や管理をしていました。土木分野は、日本だけでなく男性社会です。その中で生き抜くためには、博士号を取得したいと思うようになりました。日本国内で、建設マネジメントの研究をされている研究者は極めて少なく、縁あって京都大学工学研究科の小林教授(現経営管理大学院特任教授)の下で博士号を取得しました。その後、国際協力分野のフィールドへ戻るつもりでしたが、経営管理大学院で研究および講義をさせていただいています。講義では、プロジェクトマネジメントを担当し、海外でのリスク評価をとおしたWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)の策定プロセス手法を教えています。主に研究では、国際メガインフラマネジメント寄附講座にて、日本企業の海外進出にかかる研究・人材育成に携わっています。研究や講義を通じて、実践をアカデミックな立場から普遍的に観察し、理論と経験が出会った瞬間がたまらなく楽しいです。

日々のワークライフバランス、研究以外の取り組み

日々のワークライフバランス、研究以外の取り組み

趣味は教育でしょうか。娘がおり、研究・仕事・母親業そして妻業(これは5%程度)の4足の草鞋を履いています。海外から日本に帰国して一番に感じたのは、目がキラキラ輝いている子供たちが少ないこと。これでは日本の未来は暗くなると、ヘリコプターペアレンツならぬブルドーザーペアレンツと呼ばれ、PTA会長はじめ教育にかかるいろいろな活動を個人的に行っています。特に、海外での経験を子供たちに共有するために、2030SDGsゲームを使ったリーダーシップ研修などがライフワークでしょうか。これは組織学に基づいて設計されたゲームですので、子供だけでなく企業や学生にも広げていきたいと考えています。他にも女子大の建築学科で構造力学を教えています。構造力学を通して、社会を数値的に見る力も伝えていきたいと思い、力学から見る恋愛とは等講義の余談が多いのが特徴です。

女性へのメッセージ

女性へのメッセージ

海外で仕事をしているときは、お手伝いさんなど家事を外注することができましたが、帰国して、母親業が非常に重荷になりました。朝5時に起きて、朝食、お弁当作りに始まり、仕事から戻ると夕食、洗濯。週末は掃除に次週の下ごしらえと。「日本のお母さんはいつ休むのだろうと・・・」。それでも、休暇を取り、家族旅行など日本を満喫しています。それが可能になるのも、夫の支援があるからでしょうか。娘が生まれたときに、「僕にはキャリアがあるが、君にはない。今は、君のキャリアを優先すればよい。」と国連での役職を辞し、ブータンやインドの赴任に同行、最後は京都にまで連れてきてしまいました。彼の理解と支援がなければ、この職も、そしてそれにつながった前職でのキャリアもなかったと思います。母、妻、仕事のキャリアのバランスを取るのは、時間的に肉体的にやはり容易ではありません。しかし、理解のあるパートナーを持つこと、これが大きな舵となると考えます。結婚とは労働力の分配であり、プロジェクトです。プロジェクトの成功とは、リスク管理だけでなく、マイナスを如何にプラスに変えていくかという柔軟な思想そして行動、リソースのマネジメント力だと考えています。「人生というプロジェクトの目的とは何か」長期的視野を持ちながら、一緒にしなやかに乗り越えていきましょう。プロジェクトマネジメントの講義では、そんな余談もたくさん交えています。