
2025年5月10日、京都大学経営管理大学院・経済学研究科は、第112回京都管理会計研究会をハイブリッド形式で開催し、横浜市立大学の黒木淳 教授が「Diversity Target Difficulty and Business Risk」と題して報告を行いました。
本研究では、上場企業413社による612件のジェンダーに関する数値目標(例:女性役員比率)を分析対象とし、目標の難易度と企業のビジネスリスク(利益やキャッシュフローの変動性)との関係を検証しました。結果、リスクの高い企業ほど難易度の高い目標を掲げる傾向があり、難易度が高いほど実際の達成率も高まる傾向が確認されました。
この研究は、単に目標の有無ではなく「目標水準の設定」が企業の評判やリスク管理に与える影響を実証的に示し、ダイバーシティ施策が経営の不確実性への対応策となる可能性を提示した点に意義があります。
研究会には研究生・院生や実務家など約15名が参加し、活発な議論が交わされ、盛会のうちに終了しました。