教員紹介

教員紹介 2024.09.17

2024年度 新任教員のご紹介:瀬尾彰 特定教授

チバニアン(千葉県市原市にある地磁気の
逆転が記録された地層)訪問の様子

京都大学経営管理大学院では、2024年度 新たに個性豊かな教員を迎えました。インフラ物性産学共同講座 瀬尾彰 特定教授をご紹介いたします。

【ご挨拶】
この年5月より、GSMインフラ物性産学共同講座の特定教授として着任いたしました。このたび縁あって京都大学にお世話になることになりました。よろしくお願いいたします。

【GSM着任以前のバックグラウンド】
1993年に石油元売りに入社し、以来継続して、道路や建築インフラの素材であるアスファルトにかかわる製造技術、技術開発、知財、製品安全および事業化に携わってきました。アスファルトは、ガソリン、軽油などと同様に石油精製という複雑かつ大規模な化学プラント(製油所)で製造されます。このため、化学の知見を活用しながら、インフラ資材の技術的かつ経済的にあるべき姿を考え、形にしてきました。

【専門分野・研究内容】
アスファルトや道路舗装に用いる素材に関する技術を専門としています。本講座では、まずはアスファルト舗装に関する研究を行いますが、社会インフラ全般について、新たな研究の枠組みを作ることにも取り組みます。

道路や空港、橋、鉄道などの社会インフラは、メンテナンスを適切に行うことで、永く利用することが可能です。道路舗装を例にすれば、日々、メンテンナンスに多くの方々が携わり鋭意補修いただいていますが、どのように損傷が発生するのか、どう損傷は広がっていくのか、ということは明らかになっていません。そこで本講座では、まず第1にアスファルト舗装を対象に、その損傷発生の要因や過程を、兵庫県佐用町にある大型放射光施設 SPring-8を使って明らかにし、損傷抑制策、寿命延長策の提案を試みます。提案には、新技術に加え、製品安全や強靭なサプライチェーンの確保も含みます。

【今後の取り組み・メッセージ】
地球温暖化対策として脱炭素が叫ばれ、石油精製の在り方が問われています。カーボンニュートラルを実現しつつ、どのようにインフラ資材の安定供給を担保するかは大きな課題です。多くの方々のご意見をいただきながら、研究を進めたく考えます。どうぞよろしくお願いいたします。

インフラ物性産学共同講座
https://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/collaborative-research/infrapp/
https://infrapp.gsm.kyoto-u.ac.jp/