寄附講座
株式市場の法制度と価格形成研究寄附講座
設置期間
2026年4月1日~2029年3月31日
寄附者
牧 寛之
概要
本講座は、日本市場における「支配権プレミアム(企業支配権に由来する追加的価値)」の存在とその形成メカニズムを、会社法・金融商品取引法等の法制度と計量経済学的な実証分析を融合させた学際的アプローチにより解明することを目的とする。
現在、わが国ではM&Aやブロックトレード等の株式取引に伴う価格形成と市場株価の乖離に関する体系的研究が不足しており、特に支配権プレミアムが大株主等にのみ帰属し少数株主に還元されない場合の法的規律や、日本特有の持ち合い株式・系列関係がプレミアムの水準に与える影響といった重要課題が未だ十分には明らかにされていない。とりわけ、近年の東京証券取引所による市場改革や上場維持基準の厳格化を背景に、企業価値向上や資本効率の適正化を目的としたMBOや完全子会社化等を通じて株式市場から退出する企業が急増している現在の時勢において、適正な支配権プレミアムの算定と少数株主保護の両立は、実務的・政策的に極めて緊要な課題となっている。
本講座では、法制審議会等に関与する法学者、実務に精通した弁護士、および計量経済学の研究者が連携し、支配権取引の実態を定量的に把握するとともに、公正な市場形成に資するTOB規制や制度設計への具体的な示唆を行う。これにより、日本市場の特異性を踏まえた国際的なコーポレートファイナンス研究に新たな知見を提示し、次世代の経営・法務を担う高度専門人材の育成に貢献することを目指す。
講師
- 澤邉 紀生教授
- 北村 雅史客員教授
- 山中 眞人客員准教授
- 水野 雅文特定講師

